■ 稼働していない時間が長い工場に、太陽光は無意味?
「工場は昼間しか稼働しない」「休日はまるごと止まる」
そんな運用が一般的な製造現場において、「太陽光発電なんてムダになるのでは?」という声をよく聞きます。
確かに、自家消費を前提とする太陽光発電は、電気を使ってこそ効果を発揮する仕組み。
では、本当に「工場が動いていない=太陽光も価値がない」のでしょうか?
■ 実は、工場は“止まっていても電気を使っている”
工場が稼働していなくても、完全に電気の使用がゼロになることはほとんどありません。
たとえば、次のような設備や機能は非稼働時でも常に電力を消費しています。
・サーバー、監視カメラ、防犯装置などの常時稼働機器
・自動倉庫・冷凍冷蔵設備の温度維持
・スタンバイ中の設備や空調の待機電力
・排水処理、換気装置などの環境保全設備
つまり、「止まっている=ゼロ消費」ではなく、「基礎的な電力需要」は常に存在するのです。
■ 余剰電力の“売電”も、選択肢に
完全な自家消費型にこだわらず、「日中の余剰分を売電する」という運用も可能です。
特に工場が土日祝で完全休業する場合、その期間の電気は丸ごと売電に回せることになります。
売電単価は年々下がっていますが、それでも一定の収益源になるのは事実。
しかも稼働日よりも休日のほうが発電量が高い(空調負荷が低い・稼働ノイズが少ない)という逆転現象も起こりやすく、意外とバカにできません。
■ 蓄電池と組み合わせれば、夜間や稼働日に電力を持ち越せる
日中に発電した電力を蓄電池にためておき、夜間や平日の稼働時間に放電して使うという運用ができれば、非稼働時の太陽光も無駄になりません。
特に、夜間の電気料金が高いエリア(季節別・時間帯別料金)では、昼間にためて夜に使うことが電気代削減にも直結します。
今では中型・大型の蓄電池も導入しやすくなっており、BCP対応と合わせて検討する工場も増えています。
■ 工場が動かない時間を価値に変える設計がカギ
ポイントは、「使っていない=価値がない」ではなく、「使わない時間も含めて設計する」という発想です。
・休日の売電で収益を得る
・非稼働時の設備に優先供給する
・蓄電池で夜間や翌日の稼働に活用する
これらを組み合わせることで、実質的な活用率は格段に上がります。
■ まとめ:「止まっている工場」こそ太陽光で価値を生む
非稼働時間が多い工場でも、太陽光発電は十分な導入価値があります。
むしろ、その時間をどう活かすかを考えることで、他社との差別化やスマートエネルギー経営の一歩先を行けるかもしれません。
稼働していない時間も視野に入れた活用こそが、これからの再エネ導入のカギを握ります。
※余剰売電をするには事前に電力会社への系統連系申請を行い承諾を得なければならない等、様々な条件があります。計画段階から専門家への相談をすることをお勧めします。