屋根が古くても大丈夫?― 太陽光設置前のメンテナンスQ&A ―

■ 古い屋根に太陽光って、実際どうなの?

工場や倉庫に太陽光発電を導入しようとしたとき、よく問題になるのが屋根の劣化状態。
「築20年以上だけど大丈夫?」「この屋根に穴を開けて設置しても平気?」といった不安の声は少なくありません。

結論から言えば、築年数が経った屋根でも設置は可能です。ただし、事前の確認や補修が必要なケースもあります。
ここでは現場でよく寄せられる疑問をQ&A形式で解説していきます。

■ Q1. どれくらい古いと「要注意」なの?

A. 一般的に築15〜20年以上経過している屋根は、事前診断が推奨されます。
特に工場で多く見られる折板屋根(せっぱんやね)は、金属製ゆえに年数とともにサビや雨漏りのリスクが高まる傾向があります。

加えて、屋根材を固定するボルトやビス周辺が劣化していると、太陽光パネルの架台取り付け時に強度不足を招く可能性も。
設置後に不具合が発覚すると二度手間・余計なコストがかかってしまうため、屋根の状態確認は極めて重要と言えます。

■ Q2. 屋根の補修はどんな内容になるの?

A. 屋根の状態によって補修方法は異なりますが、よくある対応は以下のとおりです。

・表面のサビや腐食箇所の除去・再塗装

・シーリングの打ち直し(防水性の回復)

・経年劣化部分の張り替え(部分 or 全面)

・絶縁シートの敷設(雨漏りリスクを減らすため)

太陽光パネルは15〜20年、長いものでは30年にわたり稼働します。
したがって屋根の寿命が先に来てしまうと、途中で大掛かりな撤去工事が必要になり費用も稼働もムダが発生します。
そのため、太陽光より長く持つ屋根にするのが基本的な考え方となります。

■ Q3. 補修や張り替えと同時に太陽光を載せられる?

A. はい、補修と同時に設置するケースは非常に多く、むしろ理想的な導入タイミングとも言えます。

・古い屋根の上から軽量な新屋根をかぶせて施工(撤去不要)

・一体型太陽光屋根材(パネルを屋根材として使う)

・屋根断熱材を追加し、省エネ効果を同時に得る

このように設置と補修を一度に済ませることで、工期の短縮や建物性能の向上、エネルギー効率の最適化など多くのメリットが得られます。

■ 補足:屋根が古いからこそ、導入のチャンスになることも

実は、「屋根が古いから一度見直したい」→「ついでに太陽光も」というケースは非常に多いです。
むしろ、設置タイミングとして最適だったと感じる企業も少なくありません。

・建物全体の価値向上

・エネルギーコストの削減

・維持修繕の手間やトラブルの低減

・将来のCO₂排出削減の備え

屋根の老朽化は、再エネ導入をあきらめる理由ではなく、むしろ将来に向けた設備更新のきっかけと捉えることができます。

■ まとめ:屋根と再エネを一緒に整える、という発想

築年数が経った工場や倉庫でも、太陽光発電の導入は十分可能です。
むしろ、屋根の改修と再エネ導入を同時に進めることで、建物・設備・エネルギーの最適化が図れる絶好の機会にもなり得ます。

今屋根に対して感じている不安も、見方を変えれば前向きな改善のチャンスです。まずは、屋根の状態を知ることから始めてみてはいかがでしょうか?

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