太陽光発電というと、「建物の屋根にパネルを設置する」というイメージが一般的です。実際、工場や倉庫、事業所などでは、屋根を活用した自家消費型太陽光発電が多く導入されています。
しかし、すべての建物が太陽光発電に適しているとは限りません。屋根の形状や強度、既存設備との位置関係などによって、十分な設置スペースを確保できないケースもあります。特に既存の工場や倉庫では、屋根の耐荷重が設置の課題となる場合があります。
では、屋根への設置が難しい場合、太陽光発電をあきらめるしかないのでしょうか。実は、屋根以外にも太陽光発電を設置できる場所があります。
駐車場を発電スペースとして活用する
屋根の代わりとして活用しやすい場所の一つが、駐車場です。
駐車場に太陽光パネルを設置する「ソーラーカーポート」であれば、駐車スペースを残しながら発電設備を設けることができます。企業や店舗など、まとまった駐車場を保有している施設では、自家消費型太陽光発電の設置場所として検討できます。環境省も、駐車場等を活用したソーラーカーポートを自家消費型太陽光発電の導入方法の一つとして紹介しています。
ソーラーカーポートには、発電以外のメリットもあります。駐車場に屋根ができることで、車への日差しや雨を防ぐことができ、施設によっては利用環境の改善にもつながります。
敷地内の空きスペースを活用する
もう一つの選択肢が、建物周辺の空きスペースです。
工場や事業所の敷地には、建物以外にも未利用の土地や設備周辺のスペースがある場合があります。こうした場所に太陽光発電設備を設置することで、建物の屋根を使わずに発電する方法も考えられます。
ただし、空いているように見える場所でも、将来的な設備増設や車両の通行、資材置き場、メンテナンスなどに使用する予定がある場合があります。
そのため、単純に「空いているから設置する」のではなく、現在の利用状況だけでなく、将来の使い方まで考えて設置場所を決めることが重要です。
また、地上に設置する場合には、土地の形状や地盤、周辺環境など、屋根とは異なる条件の確認も必要になります。
「どこに置くか」だけでなく「どう使うか」も重要
太陽光発電の設置場所を考えるとき、忘れてはいけないのが発電した電気の使い方です。
例えば、工場の屋根に十分な容量を設置できない場合でも、駐車場にソーラーカーポートを設けることで発電量を増やせる可能性があります。
一方で、発電量を増やすことだけを目的にすると、施設の電力使用量を上回る発電設備になる場合もあります。自家消費型の場合は、どこに設置できるかと同時に、そこで発電した電気をいつ、どれだけ使うのかを考えることが大切です。
屋根、駐車場、敷地内の空きスペースなど、複数の場所を組み合わせる方法もあります。施設の電力使用状況や敷地条件によって、適した組み合わせは変わります。
屋根に載せられないからこそ、全体を見る
太陽光発電の導入では、「屋根に何枚パネルを載せられるか」だけで考える必要はありません。
屋根の条件が合わない場合でも、駐車場や敷地内のスペースなどに目を向けることで、別の可能性が見えてくることがあります。
もちろん、設置場所によっては建築や消防、土地利用などに関する確認が必要になる場合もあるため、場所を決める前にそれぞれの条件を確認しておくことが大切です。
太陽光発電は、パネルを置ける場所を探すだけではなく、施設全体を見ながら「どこで発電し、どこで使うか」を考えることが重要です。
まとめ
太陽光発電は屋根への設置が一般的ですが、屋根の強度や形状などによって設置が難しい場合もあります。
そのような場合には、駐車場を活用したソーラーカーポートや、敷地内の空きスペースなど、別の場所への設置を検討することができます。
ただし、設置できる場所を見つけることがゴールではありません。施設の電力使用量や使用時間、敷地の利用状況、将来的な計画などを踏まえ、発電した電気を有効に使える設備計画にすることが大切です。
