太陽光発電の導入を検討するとき、「年間で○○kWh発電できます」という数字を目にすることがあります。
しかし、発電した電気をすべてそのまま使えるとは限りません。特に自家消費型太陽光発電では、**「どれだけ発電するか」だけでなく、「発電した電気をいつ使うか」**が重要になります。
太陽光発電は、基本的に日中に発電します。そのため、日中の電力使用量が多い工場や事業所では発電した電気をそのまま利用しやすい一方、夜間や休日に電力を多く使う施設では、発電した電気と実際の使用量にずれが生じます。環境省も、休業日が少なく、日中の電力使用量が多い施設は、自家消費型太陽光発電と相性がよいとしています。
「年間発電量」だけでは判断できない
例えば、太陽光発電設備が年間10,000kWhを発電するとします。
この数字だけを見ると、「10,000kWh分の電気を使える」と考えてしまいそうですが、実際にはそうとは限りません。
日中に施設で5,000kWhの電力を使用していれば、その時間帯の発電電力を自家消費できます。一方、発電量が施設の電力使用量を上回れば、その分は余剰となります。反対に、夜間や天候の悪い時間帯には太陽光発電だけでは電力をまかなえず、電力会社から電気を購入することになります。
つまり、発電量と電力使用量の「量」だけでなく、「時間帯」が重要なのです。
そのため、太陽光発電の導入効果を考える際には、年間の電力使用量だけを見るのではなく、30分ごとの電力使用状況などを確認し、太陽光発電の出力と照らし合わせることが大切です。
発電した電気をどれだけ自分で使えるか
自家消費型太陽光発電では、「自家消費率」という考え方があります。
これは、発電した電気のうち、どの程度を施設内で利用できるかを見るための指標です。
例えば、年間10,000kWhを発電し、そのうち7,000kWhを施設内で使用できた場合、自家消費率は70%になります。
ただし、自家消費率が高ければ必ずしも良いというわけではありません。設備容量が小さすぎれば、電力使用量が多い時間帯に太陽光発電だけでは十分にまかなえない可能性があります。反対に、設備を大きくしすぎると、発電した電気が余る時間帯が増えることもあります。
重要なのは、施設の電力使用状況に合わせて、発電設備の容量を考えることです。
「たくさん載せる」ことが最適とは限らない
太陽光発電では、屋根に設置できるだけのパネルをできるだけ多く載せたいと考えることもあります。
もちろん、発電設備の容量を大きくすれば、発電できる電力量も増えます。しかし、自家消費を目的とする場合には、それだけで導入効果が高まるとは限りません。
例えば、日中の電力使用量が少ない施設に大容量の太陽光発電設備を設置すると、発電量が施設の使用量を上回る時間帯が増える可能性があります。
一方で、工場などのように日中も継続して電力を使用する施設では、発電した電気をその場で活用しやすくなります。
そのため、設備容量を決める際には、屋根の広さだけではなく、電力の使用状況と発電量のバランスを見ることがポイントになります。
蓄電池を組み合わせる方法も
太陽光発電と電力使用の時間帯が合わない場合には、蓄電池を組み合わせる方法もあります。
昼間に発電した電気を蓄電池にためておき、夕方や夜間に使用することで、太陽光発電をより長い時間にわたって活用できます。
また、停電時の電源確保という面でも、太陽光発電と蓄電池を組み合わせるメリットがあります。ただし、停電時に利用できる電力は、設備の仕様や接続する負荷などによって異なるため、導入前の確認が必要です。
蓄電池を導入するかどうかについても、単純に容量だけで決めるのではなく、電力を使用する時間帯や必要な電力量を踏まえて検討することが重要です。
まとめ
太陽光発電の導入を考える際、「年間でどれだけ発電できるか」は重要な指標の一つです。
しかし、自家消費型太陽光発電では、それだけでは十分ではありません。**「いつ発電するのか」「いつ電気を使うのか」「発電した電気をどれだけその場で利用できるのか」**まで考えることで、実際の導入効果が見えてきます。
そのため、太陽光発電設備の容量を決めるときには、屋根の広さやパネルの枚数だけでなく、施設の電力使用状況を確認することが大切です。
